ごあいさつ
<学習の成果を次の世代へ>
年頭所感 会長 飯田 助知
皆様 明けましておめでとうございます。今年こそ光明差し込む明るい年になるのではと期待しておりましたが、二つの戦争と突然の地震災害が連日トップニュースになるなど、依然として不安と緊張の続く新年となってしまいました。しかし、こういう時だからこそ、やるべきこと、やっておかなければならないことがあるのではないか。皆様も日々工夫を重ねられていることと拝察いたします。
さて、昨年は周年行事の多い年でありました。本協会では、中国語講座開設50周年を迎え、ささやかでしたが中身の濃い意欲的な記念行事を行いました。その他横浜・上海友好都市提携も50周年、そして日中平和友好条約の締結、神奈川県と遼寧省の友好関係の樹立などが節目の年を迎え、それぞれ工夫を凝らした行事が実施されました。
この節目の年にスポットを当て、将来への発展を期すという習慣は、以前の日本では大事件などを除きあまりありませんでした。強く意識され始めたのは1972年の日中国交正常化以後のような気がします。多少主観的になりますが、水害、地震など人力では抗しきれない自然災害に多く見舞われてきた日本人は、いやなことは早く忘れ、心機一転、前向きな行動をと心掛けてきたせいかもしれません。起こったことはしょうがない。過去のことにはあまりこだわらない。このことはしかし、外交関係(特に対中国・アジア諸国)でしばしば物議を醸してきました。
歴史的に評価の高い演説を一つ紹介いたします。第二次世界大戦の発端となった独のポーランド侵攻(1941,9・1)から丁度80年目の2019年同日に行ったシュタインマイヤー・ドイツ大統領の演説で「戦争から時がたつほど記憶が重要だ。この戦争は独の犯罪だ。歴史的な過ちの許しを請う。」過去に向き合い、率直に反省の気持ちを述べています。これが国際基準といえるでしょう。
日本人は一般に負の歴史を避ける傾向があり、それが政治にも反映し、国際的不信を招く原因となっているように思われます。例えば2015年ごろよく言われた「戦後70」。この時、その前の15年は視野に入っていたでしょうか。アジア諸国はそこを注視していたと思います。また、12月は戦争がらみの記念日が続きます。そのうち極東国際軍事裁判で死刑の判決を受けた7名が23日(1948年)処刑されていますが、松井石根(いわね・南京大虐殺責任者)など全員が中国侵略に深くかかわっています。今日、東条英機以外にその名前を知る人がどのくらいいるでしょうか。
日中の相互理解への道はこれからも困難を伴いながら永遠に続きます。その基盤となるのはやはり言語と歴史の学習です。戦争という不幸な時代を体験した世代から私たちが学んだこと、また私たち自身の学習から得た知識と知恵を確実に次の世代に伝えること、そのために力を合わせることが今私たちに求められていることであると思います。
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私たちの横浜日本中国友好協会(略称:横浜日中友好協会)は日本と中国の友好を願う民間のボランティア組織です。会員は横浜市在住者が主体ですが、それぞれの会員がそれぞれの立場で一衣帯水の隣国である中国の歴史、文化、言語等に関心を寄せ、これにより民間レベルでの日本と中国の友好に寄与することを願って活動しています。
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